ホームページ管理人 関島です。
このページでは、直接PALSコースには関係ないけど、救命の連鎖のことだったりインストラクションデザインのことだったりをご紹介することにしようと思います。
一般市民向けの心肺蘇生の指針2015が発表されています。
もちろん書籍購入することが可能ですが、内容を知りたい方はPDF版でも確認ができますね。
心肺蘇生法は、命を救う大切な行動であるので、すべての医療関係者はプロフェッショナルとして正しく学んでいたいと思いますが、一般市民の方が学ぶ場合には楽しく学びたいと管理人は思っています。
日本循環器学会では、『心止村湯けむり事件簿』として、ドラマ仕立てで心肺蘇生法を学べる方法を提供しています。
また、2015年のガイドラインでは、胸骨圧迫の回数は100-120回/分程度として示されましたが、日本救急医学会の委員でもある京都府立医大山畑佳篤先生は、プリンセスプリンセスの代表曲「Diamonds」の替え歌で毎分112回を教えているそうです。
youtubeで紹介されていますので、是非ご活用ください。小学生の心肺蘇生授業でも利用しましたが、子どもたちも一生懸命曲に合わせて胸骨圧迫をしてくれていました。
ワークショップ開催に合わせて、ファカルティ会議がありました。
JSPICC PALSコース運営に関しては、いろいろとご心配をかけるような状況がありましたが、櫻井先生をPALS担当理事として従来通りJSPICCでコース運営がされていくことが再確認されましたので、ご安心ください。
つくば国際会議場で
いつもお世話になっている事務局の方とも一緒に撮っています。
昨日は、毎年恒例になった埼玉県消防学校救急科の講義に行ってきました。
今回は受講生が多く、95名の方が受講されていました。
学校への講義も約10年になりますので、県内の消防関係者およそ2000名以上の方に講義を行ったことになります。積み重なるとすごい数字ですね。
救急活動において特に近年は老人・老年救急が多くなり、小児・新生児の救急は合わせてもおよそ10%ぐらいと少ない範囲ですが、ときには病院前医療が生死を分けるようなことにつながることもありますので、稀だけど出会ったら絶対に対応してほしいことにも触れて、お話ししてきました。
講義の中で、是非学校での心肺蘇生教育に力を貸してほしいことも伝えました。
学校管理下では毎年50名を超える方の、多くは運動時突然死事例があります。その対応が上手くいっても助けられない命がある一方で、対応が上手くいけば救えた可能性がある命もあると思っています。さいたま市で起こった明日香ちゃんの例もそうかもしれません。
さいたま市教育委員会は、明日香ちゃんの事例を受けて、このようなことがないようにASUKAモデルを作って公表しています。非常によくできたDVDです。
上記からASUKAモデル本編を見ることができます。
学校での子どもたちへの心肺蘇生教育、学校での教職員への事故対応活動が車輪の両輪のようにこのDVDが上手に活用されて進むと良いなぁと思っています。
このHpmepageでも何回かご紹介しているASUKAモデルですが、さいたま市から本編DVDが公開されています。このDVDを見ることで、学校での危急時の対応を学ぶことができます。埼玉県の消防学校の講義でも次回紹介する予定ですが、県内の救命講習ではPR映像を使っての講習会を行っているところもあるそうです。自分たちで同様のものを作るのは大変ですが、さいたま市作成のASUKAモデルを使うことで学校での対応能力が上がれば、このモデルのきっかけとなったお子さんも嬉しく思ってくれると思います。
チャイルドシートが交通外傷の重症度に与える影響と小児科医による啓発の論策が小児科学会誌に掲載されています。新潟でPALSインストラクターをしている阿部先生の論文です。
小児科医は外傷診療そのものは不得意かもしれませんが、子どもの扱いは慣れています。
子どもの事故予防にもっとも活躍できる職種のひとりとして小児科医はいると思います。
各地域で各病院で、事故防止啓発に努めましょう。
ガイドラインが発表になりました。
まだ詳細には読めていませんが、2010の改訂版との位置づけで、凄く大きな変更点はないようですね。
JRC2015のガイドラインでは、BLSの部分で、呼吸があるか ないか(死戦記呼吸か)だけでなく、ASUKAモデルに採用された『わからない』というのも記載されています。
呼吸をしているかよく見て、『わからなければ』胸骨圧迫を行う という手順になっています。シンプルで分かりやすく、より多くの人に心肺蘇生に関わってもらいたいというメッセージがあるように思います。
埼玉県さいたま市では市内の全公立学校で子どもたちも心肺蘇生を学ぶことが始まっています。
このホームページをご覧の方は、心肺蘇生教育にも興味のある方だと思われますので、是非自分の地域で心肺蘇生教育が進み、多くの方が助かるような社会が生まれるように協力してゆきましょう。
小児救急医学会で下記セミナーが開催されるようですね。JSPICC PALSインストラクターの植田先生が研修委員長でいらっしゃいます。
第6回 あおによし奈良・教育セミナーを12月5日・6日に開催いたします。
募集期間:8月1日〜10月16日
応募サイトはこちらをご覧ください
ついでに、同じところに 『JRC蘇生ガイドライン2015」のオンライン版公表について』告知がありました。
国際蘇生連絡委員会(ILCOR)が作成したInternational Consensus on Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care Science With Treatment
Recommendation(CoSTR)に基づく「JRC蘇生ガイドライン2015」のオンライン版が、下記要領で公表されますので、お知らせいたします。
発表日時:2015年10月16日(金)12:00(正午)予定
発表場所:日本蘇生協議会ホームページ
(http://jrc.umin.ac.jp/)
日本語版が、いよいよ今週末に発表です!
2017年から新しい専門医制度が本格的に始まります。
新たに専門医になる人だけでなく、更新が必要な人(管理人もですが!)も更新年に応じて旧専門医更新と新専門医更新に必要な単位を取得することが求められているようです。
新・旧制度ともにPALS講習会は専門医更新の単位として認定されていますが、新制度では3回分12単位まで認められることになる可能性があるようです。
(現時点では小児科学会のホームページからの情報で、機構の承認が必要となるようですが。)小児科学会学術集会の特別講演などの受講では1単位と比べると、なんと単位数が多いことでしょう。
是非、子どもの救命の連鎖をつなげるため、また専門医申請・更新のためにもPALSコースを受講してゆきましょう。
このホームページをご覧の方は、学校での心肺蘇生教育に取り組んでいらっしゃる方も多くいらっしゃると思います。下記でも紹介しているように、救急医学会からは教育ツールがダウンロードできるようになっており、初めてに近い人でも授業ができるようになっています。
小学校安全教育副読本として 命を守る 心肺蘇生・AED 救急車が来る前にできること の読本が、企業の協力で今年も配布してもらえることになったようです。
先生向けの解説書も含まれています。
秋に行う地域小学校での心肺蘇生教育に向けて、教材を取り寄せてもらいました。
小学生からこのような心肺蘇生教育に触れることで、命の大切さを学んでもらいたいと思います。
今年も消防学校の講義の時期となりました。
今年は7月7日 七夕でした。
天気は曇りだったので織り姫とひこぼしが出会えたのかはわかりませんが、今後埼玉県の救急活動を担っていってくれるであろう87名のメンバーに会うことが出来ました。
地元消防からも1名参加されておりご挨拶させていただきました。
講義した中身ももちろん大切なのですが、普段からの地域での顔のみえる関係の構築も大切ですよと伝えてきました。何人かよく知っている方を写真入りで紹介したのですが、昔の写真を使わせていただいていたのですが、この4月から署長さんになられている方いてびっくりしました。
全体の講義は内因性疾患から外因性疾患・高齢者対応や産科・精神疾患対応、災害医療やドクヘリ対応など、自分も講義を聴きないぐらいの内容が盛りだくさんです。
櫻井先生も講義に参加されています。
JSPICCのPALSコースでは、都PALSのコースを利用して全国からインストラクターが集まり相互交流をしています。
北関東・東北・北海道のコースでは、ほぼすべてのコースで櫻井先生が参加され、コースの質の担保を行ってきています。
今回は櫻井先生が参加できなかったので、管理人が変わって北海道のコースにお手伝いに行ってきました。
感想を言うと、『楽しく学んできたぞー!!』でした。
一緒にコースに参加したインストラクターの方、受講生の方、有難うございました。
平成27年6月24日 当院でERカンファレンスを行いました。
上尾消防から乳児のCPAOAの症例の発表をして頂きました。
埼玉県内では、年80例ほどの小児の院外心肺停止症例が発生していますが、救命士さんたちもそれほど多くの症例を経験しているわけではなく、現場での観察点や病歴聴取時の注意点・蘇生の方法やMC(メディカルコントロール)をまたいでの搬送方法、PA連携(救急車と消防車の連携)など、皆真剣にディスカッションされていました。
それに引き続いて、前職で経験した小児のCPAOAの症例を発表し、救命の連鎖をつなげ、一人でも多くのお子さんが救命できるように思いを共有しました。
来年以降埼玉県内では、埼玉医大@櫻井先生など と 県立小児医療センター@植田先生などへ、重症小児患者の集約が進められるでしょうとコメントしました。
埼玉県全体で小児科の基幹病院でPALSコースが開催されつつあり、救命の連鎖に役に立ってると思っています。
全国各地域で開催を希望される方は、各地域のファカルティかJSPICC PALS事務局までご連絡を頂ければ、ありがたいです。
北関東以外の地域でも、開催のお手伝いをさせていただいています。
PALS講習では、アップデート講習で死への対応(Coping with death)を学ぶことができます。(オプション)
一般診療の場面では成人に比べ子どもの死亡頻度は少ないので、多くの小児科医にとっては看取りを経験することは少ないですが、重症診療の集約化が進みつつある現状では、ときに看取りを行わなくてはならなくなることもあるかもしれません。
伝え方に正解があるわけではわかりませんが、患者さんにとっては最悪な状況で、その良くない情報を家族に伝えるためには、配慮が必要ですね。
福井大学総合診療部教授の林寛之先生は、患者の死を伝えるためのステップとして「PQRST法」を紹介しています。
Prepare 準備
Quick & direct death notification 死の宣告は簡潔・明瞭に
Response phase 家族の反応に対応する
Summarize & support まとめと家族のサポート
Team care 医療チームのフォロー
他にもSPIKES法やSHARE法など、いくつかのコミュニケーションスキル方法が開発されているようですね。
PALSコースの中で、チームアプローチとしてクローズド ループ コミュニケーションが 紹介されています。口頭指示を行うときのコミュニケーションエラーを防ぐうえで大切なことですが、なかなかそれを学ぶ機会も少ないです。
日本医療評価機構からは、『口頭による指示や依頼を受ける際は、対象物を復唱して確認しましょう』と、口頭指示の解釈違いとして医療安全情報が出されています。
コミュニケーションエラーをどのように防ぐかはなかなか難しいですが、チームアプローチを学ぶのに、普段一緒に働く仲間と多職種混合で自分の施設でコースを受けていただける『出張コース』が大変役に立ったと、コースを行った施設の方からは感想を頂いています。
出張コースに興味のある方は、こちらから。
日本医療評価機構 医療安全情報は、こちらから。
自分はアレルギーの専門家ではありませんが、学校や保育所、消防関係でアナフィラキシーへの対応の講演をお願いされることがあります。
その時に利用している事前学習資料をシェアしようと思います。
事前学習資料としてだけでなく、事後学習等でも利用していただくことで、エピペンの使用の決断がしやすくなるのではないかと考えています。
複数資料があるので、こちらを参照ください。
さいたま市民医療センター 西本先生がまとめられた、アレルギー専門家による学校給食における食物アレルギー対応に有用なツールはこちらから。
学校での心肺蘇生教育の重要性が、各学会からも言われるようになってきていますね。
埼玉県内ではさいたま市では全小学校で心肺蘇生教育が始まりました。
NHKは『減らせ突然死 使おうAED』と称して動画配信しており、AEDビデオ15動画では、循環器学会が学校での心肺蘇生教育を行いましょうと提言したと述べられています。
現状では、小学校では15%、中学校では57%、高校では72%で学校内で心肺蘇生教育が実施されていると紹介されています。
臨床救急医学会では、学校でのBLS教育 学習指導案を提示しています。
すべての学校で、心肺蘇生教育が実践されるように、皆で協力してゆきましょう。
今年は2015年、いよいよ新しいガイドラインの改訂の年です。
現在、以下の項目がが検討されているようです。
Acute Coronary Syndrome Task Force
First Aid Task Force
新しいガイドラインの発表は2015年10月15日と発表されています。
楽しみに待っていましょう!!
平成27年1月18日に、さいたま市内の小学校で、小学校5年生対象に心肺蘇生講習会が開かれました。これは、下記のASUKAモデルを小学校で普及させるためのキックオフ講習会のようです。今年度からは市内全103校で小学5、6年生を対象に授業を実施しているそうです。さいたま市に限らず、全国のすべての小学生が心肺蘇生方法を学び、中学生も学びなおして・・・とすれば、国民の一定数の人が心肺蘇生法を学んでいる国になることが出来そうですね。
埼玉県さいたま市は、「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」を作成しました。これは運動活動中に亡くなったさいたま市立小学生のお子さんの案件を踏まえて作成されました。
一人でも多くの方が心肺蘇生を実践できる社会を作ることで、多くの命が助けられると思います。学校での心肺蘇生教育の必要性はずーっと感じておりましたが、このようなテキストができることで学校の先生方にも対応していただきやすくなると思いますし、PALSを学んだ方々が学校へ出かけて心肺蘇生教育もしやすくなると思います。
皆さん、一緒に心肺蘇生教育を充実させてゆきましょう。
紹介ビデオはこちらから
埼玉県の消防学校では、消防学校の小児の講義にPALSの要素を取り入れた講義をしています
ホームページ管理人関島です。
昨日は埼玉県消防学校の救急科の講義に出かけてきました。
埼玉県では、救急活動に入る前に救急科の講義を受けて、小児・新生児から成人、内因性疾患から外因性疾患までおよそ2か月間の講義・実習を経たのちに、各消防本部に戻って現場活動に入ります。
現場活動を5年以上続けると、救命救急士への道も開かれているそうです。
今までに講義をさせていただいた方の中には、救命士になられている方もいるかもしれません。
子ども達の救命の連鎖をつなげるため、ファカルティの櫻井先生、関島が講義に参加しています。手技やアセスメントをわかりやすく解説した、救急隊員のための小児救急を副教材として使用しています。
今年の小児集中治療ワークショップが終了しました。
小児集中治療ワークショップは平成26年10月18日19日の2日間、茨城のつくば国際会議場で開催されました。
開催の告知をあらかじめしておかなかったのが、ひとりホームページ管理者の泣き所ですが、多職種共同での集中治療を行うように、医師・看護師以外にも臨床工学士・薬剤師など多職種の方がご参加いただきました。
今後この方向で、医療が行われていくのであろうという流れを感じることが出来ました。
いくつかのPICUでは、病棟に薬剤師が来て点滴を調剤しているようでした。点滴も薬剤師さんが調剤するように今後なってゆくのでしょうね。
次年度は平成27年11月7日8日、会場は今年と同じ、つくば国際会議場で開催です。
つくばエクスプレスが走ったので、秋葉原から最短45分でつくばまで行くことが可能です。
今年参加されなかった方は、是非ご検討ください。
丁度筑波山で、秋の紅葉に合わせてケーブルカーが夜まで動いているようでしたが、今年は行けませんでした。
来年はリベンジするぞ!
Simulation トレーニングが、臨床現場のスキルの向上に役に立ったと、Pediatricsに報告がありました。
新生児の蘇生や気管挿管に関しての報告です。
PALSでも、ただ単にコース運営が上手くいっただけでは満足できません。実際の臨床現場の改善に役に立って、初めてコース開催の意義があると思われます。
北関東TSでは、各病院・施設に伺ってコースを行うように努めています。
現場の改善が目標です。
http://pediatricsblog.blogspot.jp/2014/08/two-simulation-studies-that-improve.html
ファカルティの新田先生が、PALSについて解説されています。
このページをご覧の方は、PALSってなに?? という方はいないと思いますが、日本にPALSコースが導入されて10年以上になりますが、まだよくご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
関西TSで活躍されているファカルティの新田先生が、ラジオNIKKEIでPALSのことを解説されています。
どうぞお聞きください。
ちなみに、中部TSの植田先生も同じところで、日本のPICUに関して解説されています。ご興味があれば、こちらもどうぞ。
インストラクターのインストラクション方法
講習ではいろいろなインストラクターがいたと思います。インストラクターも、ただ単に知識を伝えるのではなく、どのようにインストラクションをすると効果的にコースが、場合によっては普段に日常診療が改善するかを考えながら指導しています。
2011年には日本救急医学会からICLS指導者ガイドブックが出ており、その中でもインストラクターコンピテンシーについて記載されており、参考にしてきました。
今回 JSPICC-ITOのPALSインストラクターでもあるI先生などが書かれた実践シミュレーション教育 - 医学教育における原理と応用 -が2014年7月に発売されました。まだ、実物は見ていないのですが、参考にしてゆきたいと思っています。
インストラクションって、奥がふかいなぁ。
デブリーフィング講習会‐DASH©を学ぼう-
先日行われた第26回小児救急医学会で、会長の上野先生の肝いりで、デブリーフィング講習会‐DASH©を学ぼう-が開催され、ホームページ管理人も参加してきました。
AHAのコースでは、GAS method(Gather Analyze Summary)に則って、コース後のデブリーフィングが行われますが、このデブリーフィングの方法にはいくつかの方法が報告されており、DASH(http://www.harvardmedsim.org/dash-jp.php)はハーバート大が開発した方法です。
日本語化されておりますので、ご興味のある方はご覧ください。
DASHのコースでは、中部TSのI先生やM先生などもご指導いただきました。
インストラクションって、奥がふかいなぁ。